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携帯のアラームで目が覚めた。
目を開けると、見慣れた部屋じゃない事に一瞬固まり、隣を見ると櫂翔が寝ていたので、少し安心しながら昨日の事を思い出していた。
ゴソッと起き上がった私に、櫂翔が目を覚ました。
「…ん…どうした?」
「…おはよう櫂翔。朝だよ。」
「…あぁ。」
起きようとしたのに、櫂翔に引っ張られ布団に逆戻りしていた。
「…まだ寝るぞ。」
そう言い私をギュッと抱き締め、寝ようとする櫂翔を起こす。
「櫂翔寝ちゃダメ!綾さん達と朝ごはん食べる約束してるから起きて?」
「…まだ大丈夫だ。そのうち熾遠が電話してくるだろ。」
そう言い目を閉じた櫂翔に私は仕方ないと思い言った。
「もう…少しだけだよ?」
そう言うと櫂翔はすでに眠りに入っていた。
私は目が覚めてしまっていて、寝れそうになかったから、携帯を手に取った。
携帯を開くと、メール受信が表示されていた。
…誰だろう…そう思いながら、メールを開くと差出人は…涼…だった。
目を見開き、まさか…と思いながらメールを開いた。
メールの内容を見て、すぐに削除をする。
…何で…なんで…。
そう思っていると、知らない間に身体が震えていた。
私が震えていると櫂翔がギュッと抱き締めてくれた。
「…どうした?」
そう聞く櫂翔に答える事が出来ずに、ただ抱きついた。
「李遠?」
不思議に思ったのか櫂翔が聞いてきたが、今はただ安心したくて抱きついた。
櫂翔はそれ以上何も言わずに、震える私を抱き締めてくれていた。
〔戻ってこい…俺のオモチャ…。〕
メールにはそれだけが書かれていた…。
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