四章

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櫂翔side 朝は普通だったのに、二度寝から起きると震えていた李遠。 どうしたか聞いても最初は答えなくて、落ち着いた頃怖い夢を見たと言っていた。 それから李遠は俺から離れなくなっている。 朝食を食べに来ても、俺が行かないと言うと、自分もいらないと言い出した。 見かねた綾が連れていってくれたが、皆不思議そうな顔をしていた。 「櫂翔…李遠はどうしたんだ?」 「わかんねぇ…。怖い夢見たらしいけど…」 熾遠にそう答えると瑠榎さんが言った。 『何か…不安そうだな。電話とかなかったのか?』 「いえ…なかったですね…。何の夢見たかすら言わないから、解んないんですよ…。」 そう答える俺に、今度は妃那さんが言った。 『ねぇ…電話じゃないならメールとかは?なんか…不安定な綾みたいなんだけど…。』 そう言われれば、近くに携帯があったような気がした。 「なぁ…熾遠…。涼って今どこにいる?」 「涼?あいつが李遠にメールしたのか?」 「いやわかんねぇ。何となくだ。それに…李遠が怯える事なんて、アイツの事ぐらいだろ?」 「…確かにな。…調べて見るか。」 「あぁ。早めにな。」 そう話していると、李遠と綾が戻って来た。 櫂翔side end
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