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綾さんと果物を取りに来たが、涼からのメールが頭から離れなく、何も食べたいとは思わなかった。
それでも心配してくれる綾さんに悪いと思い、2、3個お皿に乗せた。
『李遠ちゃん大丈夫?何かあった?』
そう聞く綾さんに首を振り答える。
「大丈夫です。ごめんなさい。綾さんにも心配させちゃって…。」
『ねぇ李遠ちゃん。不安な事があるなら言ってね?少しは力になれると思うから…。』
「はい…。ありがとうございます。」
そう返事をして、綾さんならどうするのか気になり聞いてみた。
「あの…綾さん…。」
『なぁに?』
「変な事…聞いても良いですか?」
『どんな?』
「例えば…前に酷いことされた男からメールが来たらどうします?」
『うーん。内容によるかな。』
「…戻ってこい…みたいな…。」
『それなら行かない。今が幸せだから。それに…魁は何があってもすぐ助けてくれるから魁に話すよ。』
「それでも…その人から…逃げれなくて…捕まったりしたら…。」
『その時は宝龍が動くよ。それに魁は必ず助けてくれるしね。』
「…そぅ…ですか…。」
綾さんに聞いてみて、綾さんが魁さんを信じている事がわかった。
櫂翔達を信じてない訳ではない。
ただ…私のせいで怪我をして欲しくない。
櫂翔に見捨てられたら私はもう生きていけない。
そんな事を考えていると、綾さんに呼ばれた。
『ねぇ李遠ちゃん?』
「はい…」
返事をしながら綾さんを見た。
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