四章

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綾さんに話を聞いてもらい、少しスッキリした私は櫂翔の隣に座った。 涙目の私を見て、櫂翔が聞いてきた。 「李遠?」 話したら涙が溢れそうだったから、何も言わずに手をギュッと握ると、綾さんが櫂翔に話しかけた。 『櫂翔くん。ごめん泣かしちゃった。』 「いや…それはいいが…何で泣きそうなんだ?」 『ん?李遠ちゃんが不安に思ってる事が私に似てたから…昔話してた。』 昔話と聞いて魁さんが綾さんを呼んだ。 『…沙綾?』 『大丈夫だよ魁。』 綾さんも魁さんの言いたい事が解るのか、ニコニコしながら言った。 『櫂翔くん、李遠ちゃんも大丈夫だよ。今はちょっと不安になってるだけだから。』 「…あぁ。」 櫂翔の返事を聞くと、綾さんは魁さんに話しかけた。 『ねぇ魁?今日帰るの?』 『あぁ。』 『明日じゃダメ?』 『…何でだ?』 『李遠ちゃんと銘ちゃんとまだ遊びたい!!』 『いいね。瑠榎!私も銘愛達と遊びたい!!』 『『……。』』 そう言う綾さんと妃那さんに魁さんと瑠榎さんは無言だった。 『ね?魁お願い!』 『…瑠榎に聞け。』 『瑠榎にぃダメ?』 『瑠榎、お願い!』 『魁!?何で俺に言うんだよ!』 瑠榎さんは悩み出したのを見て、綾さんと妃那さんは二人で瑠榎さんの前で首をコテンと傾げまた聞いた。 『『お願い…』』 『…くっ…。…明日は帰るからな?』 二人の可愛さにヤられた瑠榎さんが呟き、綾さん達は騒ぎだした。 「瑠榎さん…。」 何か言いたそうな熾遠に瑠榎さんが言った。 『何も言うな熾遠…。お前も銘愛と李遠にヤられたらわかる。』 そう言う瑠榎さんに銘ちゃんが言った。 「違いますよ瑠榎さん。李遠ちゃん一人で熾遠はやられます。」 皆が楽しそうにしているのを見て、私も少し元気になってきた。
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