四章

24/36

1836人が本棚に入れています
本棚に追加
/592ページ
遊ぶのが決まり、とりあえず皆それぞれの部屋に帰った。 ソファーに座りながらも、櫂翔に抱きついていた私を、櫂翔は抱き締め返してくれた。 「李遠…何がそんなに不安なんだ?」 そう聞かれ、答えようか悩んでると、ふとさっきの綾さんとの会話を思い出した。 …大丈夫。 そう思い、櫂翔に抱きついたまま話す。 「…あの…ね…」 「…ん?」 「…朝…起きて携帯見たら…涼から…メールが来てたの…。」 「…内容は?」 「…戻ってこい…」 そう言うと櫂翔は、はぁと溜め息をついた。 呆れられたかと思い、ビクッとすると、櫂翔は私の顎をもち、目線をあわせて言った。 「それであんなに震えてたのか…。李遠、あいつはお前には近寄らせないから安心しろ。チームでお前の周りは警戒してある。何があろうとお前は俺が守るんだ。」 そう言われ、綾さんに言われた通り話して良かったと思った。 「綾さんにね…例えば…って言って、さっき話したの。そしたら綾さんが、きっと櫂翔はチームを動かしてでも守ってくれるって言ってた。…本当にその通りだね。」 「ふっ。当たり前だろ。お前は俺の大事な女と同時にチームの姫なんだからな。綾も同じ立場だからこそ解ったんだな。」 そう言うとチュッとキスしてきた。 「李遠、今、涼の居場所探らせてる。お前は何も心配せずに、俺の側にいればいい。俺が必ず護ってやる。」 そう言うと櫂翔は、さっきとは違う深いキスをしてきて、私はもう何も考えられなくなっていた。
/592ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1836人が本棚に入れています
本棚に追加