一章

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「ふっ。李遠は面白いな。俺は櫂翔。blue moonの8代目総長だ。」 そう言うと、櫂翔は私の手を引きながら歩き出した。 さっきの男たちには、腕を握られただけで鳥肌が立ったけど、櫂翔に握られた手を見ると、ドキドキした。 そして…さっきから疑問に思っていた事を聞いてみた。 「あの…blue moonって何ですか?」 「あぁ…暴走族だな。」 「じゃあ黄竜って?」 「それも族だ。blue moonの方が強いがな。」 櫂翔は答えてくれた。 …暴走族なんだ…。 「なんだ?興味あるのか?」 「…少し…。」 「んじゃ、溜まり場来てみるか?」 「行ってみたい…けど……。」 さっきの人達みたいなのがいる所ならヤダな…と思いながら、下を向きながら言えば、櫂翔がポンと頭を撫でてくれた。 「さっきの奴ら見たいなのは、うちのチームにはいねぇから安心しろ。」 櫂翔にそう言われ考えていた事を言われて、ビックリしながら顔を上げた。 そんな私に櫂翔は優しく笑っていた。 「李遠、この後溜まり場行くけど、一緒に行くか?」 「あ…夕方はあんまり家から出れないんですよね…。」 「そうか、じゃあ都合がイイ日に連絡しろ。今携帯あるか?」 そう言われ、ポケットから携帯を出すと、櫂翔は赤外線でアドレスを入れてくれた。 「いつでも連れていってやるから。」 「はい!」 嬉しくなり、笑いながら頷いた。 話しながら歩いていると、教室近くに来ていた。 「櫂翔さん。ここでいいです。」 そう言うと、ピタッと足を止めて私を見た。 「そうか?」 「はい。ありがとうございました。」 「あぁ。李遠?」 「はい?」 「櫂翔でいい。敬語もいらない。」 …先輩…だよね? そう思いながら、遠慮気味に聞いた。 「えっ?でも…」 「俺がいいって言ってんだ。敬語やめろ。」 櫂翔がそう言うなら…と思い頷いた。 頷いた私を見て、櫂翔は満足そうに微笑み、私の頭を撫でて言った。 「いつでも連絡してこい。今日みたいに絡まれた時もな?」 「うん。ありがとう櫂翔。」 「あぁ。じゃあまたな?」 櫂翔はそう言うと、来た道を戻って行った。
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