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「ふっ。李遠は面白いな。俺は櫂翔。blue moonの8代目総長だ。」
そう言うと、櫂翔は私の手を引きながら歩き出した。
さっきの男たちには、腕を握られただけで鳥肌が立ったけど、櫂翔に握られた手を見ると、ドキドキした。
そして…さっきから疑問に思っていた事を聞いてみた。
「あの…blue moonって何ですか?」
「あぁ…暴走族だな。」
「じゃあ黄竜って?」
「それも族だ。blue moonの方が強いがな。」
櫂翔は答えてくれた。
…暴走族なんだ…。
「なんだ?興味あるのか?」
「…少し…。」
「んじゃ、溜まり場来てみるか?」
「行ってみたい…けど……。」
さっきの人達みたいなのがいる所ならヤダな…と思いながら、下を向きながら言えば、櫂翔がポンと頭を撫でてくれた。
「さっきの奴ら見たいなのは、うちのチームにはいねぇから安心しろ。」
櫂翔にそう言われ考えていた事を言われて、ビックリしながら顔を上げた。
そんな私に櫂翔は優しく笑っていた。
「李遠、この後溜まり場行くけど、一緒に行くか?」
「あ…夕方はあんまり家から出れないんですよね…。」
「そうか、じゃあ都合がイイ日に連絡しろ。今携帯あるか?」
そう言われ、ポケットから携帯を出すと、櫂翔は赤外線でアドレスを入れてくれた。
「いつでも連れていってやるから。」
「はい!」
嬉しくなり、笑いながら頷いた。
話しながら歩いていると、教室近くに来ていた。
「櫂翔さん。ここでいいです。」
そう言うと、ピタッと足を止めて私を見た。
「そうか?」
「はい。ありがとうございました。」
「あぁ。李遠?」
「はい?」
「櫂翔でいい。敬語もいらない。」
…先輩…だよね?
そう思いながら、遠慮気味に聞いた。
「えっ?でも…」
「俺がいいって言ってんだ。敬語やめろ。」
櫂翔がそう言うなら…と思い頷いた。
頷いた私を見て、櫂翔は満足そうに微笑み、私の頭を撫でて言った。
「いつでも連絡してこい。今日みたいに絡まれた時もな?」
「うん。ありがとう櫂翔。」
「あぁ。じゃあまたな?」
櫂翔はそう言うと、来た道を戻って行った。
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