四章

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櫂翔が唇を離した頃には、やっぱり私は息切れしていた。 そんな私を見て櫂翔は笑った。 「いい加減慣れろよ。」 「…ムリ…。」 「クスクス。ほら行くぞ。綾達と遊ぶんだろ?」 「うん。」 そう言い立ち上がり、二人で部屋を出た。 ロビーには皆揃っていて、私達を待っていた。 『李遠ちゃぁん。』 「お待たせしちゃってごめんなさい。」 そう言いながら綾さんに近よりさっきのお礼を言う。 「綾さん、さっきはありがとう。櫂翔にちゃんと話したよ。」 『そっか。大丈夫だったでしょ?』 「うん。」 そう言うと綾さんは優しく微笑んでくれた。 「綾ちゃん、李遠行くぞ。」 熾遠に言われ、皆の方を見れば、もう入口に行っていた。 櫂翔もいつの間にか魁さんと話しながら、入口からこっちを見ていた。 『李遠ちゃん行こう!』 綾さんはそう言うと、私と手を繋ぎ走り出した。 魁さんと並んで待っていた櫂翔の方にポイっと投げられ、綾さんは魁さんに抱きついてた。 急に飛んできた私を櫂翔は受け止めてくれた。 綾さんの方を見ると、魁さんと話していた。 『…沙綾…走るな。それに…急に投げたら、李遠が可哀想だろ?』 『あはは。だって櫂翔くんが受け止めるじゃん。』 その言葉に櫂翔と顔を見合せ笑った。 『おい、行くぞ。時間がなくなっても良いのか?』 瑠榎さんに言われ、慌てて歩き出した。 妃那ねぇと銘ちゃんはそんな私達を見て笑っていた。
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