四章

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その日は皆で遊び歩いた。 街を歩けば、櫂翔と熾遠が騒がれ、さらに魁さんと瑠榎さんもいたから、かなり凄い事になっていた。 そんな光景を見ながら、“魁さん達も有名なんだ…”と呟けば、妃那ねぇと銘ちゃんは笑っていた。 夜は溜まり場に皆で行き、葵達も一緒に宴会騒ぎになった。 葵なんか瑠榎さんに犬の様にくっついているのを見て笑えた。 私達も離れた所で、ガールズトークをしながら飲んでいた。 最初、妃那ねぇと銘ちゃんに止められたが、綾さんがコッソリ隠し持っていたやつを飲み始めていた。 酔ったのか綾さんは魁さんに向かって、走り出した。 『魁~。宝龍とはまた違って楽しいねぇ』 綾さんはそう言いながら魁さんに抱きついた。 『…沙綾…飲んだだろ?』 『ん~?何がぁ~?』 惚ける綾さんに魁さんは溜め息をついた。 瑠榎さんと熾遠がこっちにやってきて、瑠榎さんが妃那さんを呼んだ。 『…妃那…』 『ごめん。綾が隠し持ってた。』 「まさか…李遠も?」 そう言われ熾遠を見た。 「あぁ~!お兄ちゃん。どこにいたの~?イオ待ってたんだよ~」 酔った私は熾遠に抱きついた。 「…銘愛…。」 「ごめんって。綾ちゃんと知らないうちに飲んでたの。」 「お兄ちゃん?イオがイイコじゃないから置いていったの?」 目をウルウルさせながら聞いた。 「イオはイイコだから置いてかないぞ?ずっとソコにいただろ?」 「迎えに来てくれなかったぁ。お兄ちゃん…櫂翔は?櫂翔がいないの…。」 「櫂翔もいるぞ?」 「迎えに来てくれないの…。イオがイイコじゃないから…櫂翔が居なくなっちゃった…。」 そう言い、泣きそうになっていると、熾遠が叫んだ。 「イオ泣くな。櫂翔はいるから。な?おい!櫂翔こい!!」
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