1836人が本棚に入れています
本棚に追加
/592ページ
その日は皆で遊び歩いた。
街を歩けば、櫂翔と熾遠が騒がれ、さらに魁さんと瑠榎さんもいたから、かなり凄い事になっていた。
そんな光景を見ながら、“魁さん達も有名なんだ…”と呟けば、妃那ねぇと銘ちゃんは笑っていた。
夜は溜まり場に皆で行き、葵達も一緒に宴会騒ぎになった。
葵なんか瑠榎さんに犬の様にくっついているのを見て笑えた。
私達も離れた所で、ガールズトークをしながら飲んでいた。
最初、妃那ねぇと銘ちゃんに止められたが、綾さんがコッソリ隠し持っていたやつを飲み始めていた。
酔ったのか綾さんは魁さんに向かって、走り出した。
『魁~。宝龍とはまた違って楽しいねぇ』
綾さんはそう言いながら魁さんに抱きついた。
『…沙綾…飲んだだろ?』
『ん~?何がぁ~?』
惚ける綾さんに魁さんは溜め息をついた。
瑠榎さんと熾遠がこっちにやってきて、瑠榎さんが妃那さんを呼んだ。
『…妃那…』
『ごめん。綾が隠し持ってた。』
「まさか…李遠も?」
そう言われ熾遠を見た。
「あぁ~!お兄ちゃん。どこにいたの~?イオ待ってたんだよ~」
酔った私は熾遠に抱きついた。
「…銘愛…。」
「ごめんって。綾ちゃんと知らないうちに飲んでたの。」
「お兄ちゃん?イオがイイコじゃないから置いていったの?」
目をウルウルさせながら聞いた。
「イオはイイコだから置いてかないぞ?ずっとソコにいただろ?」
「迎えに来てくれなかったぁ。お兄ちゃん…櫂翔は?櫂翔がいないの…。」
「櫂翔もいるぞ?」
「迎えに来てくれないの…。イオがイイコじゃないから…櫂翔が居なくなっちゃった…。」
そう言い、泣きそうになっていると、熾遠が叫んだ。
「イオ泣くな。櫂翔はいるから。な?おい!櫂翔こい!!」
最初のコメントを投稿しよう!