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すぐに櫂翔が私達の方に来た。
「なんだ?」
声が聞こえ顔を上げると、櫂翔が見えて、熾遠を突き飛ばし櫂翔に抱きついた。
「櫂翔!」
いきなり飛び付いた私に櫂翔はビックリしながらも受け止めてくれた。
「櫂翔?どこにいたの?イオがイイコじゃないから、居なかったの?」
そう言うと櫂翔は熾遠を見ていた。
「…熾遠?」
「あ~飲んだらしい…」
そう話す二人に私は話しかける。
「…櫂翔…一緒にいて?」
目をウルウルさせながら言った。
「あぁ。側にいるから大丈夫だ。ほら向こう行くぞ。」
櫂翔はそう言いながら私を抱き上げ、魁さん達の方に歩き出した。
いつものソファーに座ると、綾さんが魁さんの膝で眠っていた。
「あれぇ?綾さん寝ちゃった?」
そう言う私に熾遠が言った。
「李遠は眠たくないのか?」
「…だって…寝たらダメなの…。櫂翔がいなくなっちゃう…。櫂翔と…いたいの…。」
そう言うと櫂翔は私を抱き締め言った。
「どこにも行かないから大丈夫だ。ほら抱いててやるから少し寝ろ。」
「…どこにも…行かない…?」
「あぁ。李遠の側にいる。」
「…もぅ…戻りたく…ないの…。…涼は…嫌い…。ずっと…櫂翔と…いたいのに…。…なんで…邪魔…するの…。…やっぱり…私が…汚れてる…から…か…なぁ…。」
そう呟きながら、櫂翔の腕の暖かさに、眠りに落ちていった。
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