1836人が本棚に入れています
本棚に追加
/592ページ
櫂翔side
俺は皆と離れ、涼を探らせてる奴らの話を聞いていた。
「櫂翔さん。今の所動く様子はありません。」
「そうか…。とにかく奴の行動に気を付けろ。妙な動きがあればすぐに知らせろ。」
「はい。ただ…」
「なんだ?」
「俺達が知らないチームに出入りしてるみたいです。」
「この県じゃないって事か?」
「はい。まだ確証はありませんが…」
「…わかった。同時にそのチームも探し出せ。」
「はい。」
話をしていると熾遠に呼ばれた。
熾遠の方を見ると李遠が抱きついていた。
不思議に思いながら、熾遠に近づくと李遠が熾遠を突き飛ばし、俺に抱きついてきた。
どこにいたのか聞く李遠にまさかと思い熾遠を呼ぶ。
「…熾遠?」
「あ~飲んだらしい。」
そう言われ、はぁっと小さく溜め息をついた。
李遠は自分がイイコじゃないから、俺が置いていったと、目をウルウルさせながら言い出した。
違うと言い、李遠を抱き上げ魁さんの方に戻る。
綾も飲んでたらしく、酔って魁さんに抱きつきそのまま寝ていた。
李遠を抱き締めたまま、いつものソファーに座ると、綾が寝てるのを見ていた。
熾遠達も戻って来て、熾遠が李遠に眠くないのか聞くと、寝たら俺が居なくなると言い出した。
大丈夫だからと抱き締め、寝かせようと、背中をポンポンとリズミカルに叩いてやる。
「…もぅ…戻りたく…ないの…。…涼は…嫌い…。ずっと…櫂翔と…いたいのに…。…なんで…邪魔…するの…。…やっぱり…私が…汚れてる…から…か…なぁ…。」
そう呟きながら眠りに落ちていった。
…やっぱり不安だったか…。
そう思いながら、李遠の寝顔を見ていると、魁さんに呼ばれた。
最初のコメントを投稿しよう!