四章

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『櫂翔、わりぃな。沙綾が飲ませたみたいだな。』 「いえ…大丈夫です…。」 眠った李遠を膝に乗せ、魁さんに返事をした。 寝ながら泣く李遠の涙を拭いながら、涼をどうするか考えてた。 『しかし…綾みたいに、李遠ちゃんも不安定な精神状態だな…。』 『あぁ…。沙綾は昨日と今日は落ち着いてるけどな。』 そう話す魁さんと瑠榎さん。 「そうなんですね…。」 『あぁ。李遠に何があるか知らねぇが、お前が護ってやればいい。』 「はい。」 魁さんに言われ頷いた。 その時、下っ端の奴が俺達の方に来た。 「櫂翔さん!」 「どうした?」 「表に…」 言葉を濁す奴に言った。 「…いいから言え。何があった?」 「…はい。知らない奴らが来てます。」 そう言われ熾遠が立ち上がる。 俺も李遠を膝から下ろし、ソファーに寝かせて魁さんに言う。 「すいません。ちょっと行ってきます。」 『…あぁ。』 魁さんの返事を聞き俺と熾遠は外に出た。 外に出ると、そこにいた奴を睨み付け熾遠が言った。 「涼…何しに来やがった。」 「よぅ熾遠。久しぶりだな。俺のオモチャ返して貰いに来たぞ。」 「てめぇ…李遠はお前のオモチャなんかじゃねぇ。忠告はしたはずだぞ。」 熾遠と話す男が涼なのだと思いながら、口を挟まず聞いていた。 「あれは俺のオモチャなんだよ。お前が居なくなってからずっとな。お袋に何言ったか知らねぇが、会社も返してもらうぞ。」 「はっ。会社は元々俺達家族のだ。お前のじゃねぇんだよ。」 「お前ら孤児を俺達が引き取った時点で俺のなんだよ。もちろん李遠もな。 所で李遠はどこだ?俺が直々に迎えに来てやったんだ。今すぐ連れてこい。」 「お前に李遠は会わさない。李遠は俺達が守る。奪えるなら奪ってみろよ?」 挑発する熾遠を眺めていると、涼は俺の方に話しかけた。
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