まったく可笑しな軍人様よ

2/9
前へ
/88ページ
次へ
ドルエードッドッド  ドルエードッドッド 「早く!早く逃げろー!!東の教会に行け!」 ドルエードッドッド ドルエードッドッド  桶が転がり、荷物が転がり、荷馬車のタイヤと一緒に人も転がるように逃げていく。 「ぐずぐずするな!残ればすべて流される」 ドルエードッドッド  ドルエードッドッド  もう奴らの飛行音はだいぶ近くまで来ている。  せっかく、黒く染まった空をあいつらが赤くしに来る。  住民たちは、暗期の準備をしてたのに、 奴らのせいで中断された。 外支度もせずに、それぞれが少し前までしていた自分たちの行動にあった服装で、逃げ惑ってる。 「ママ!せっかく黒に戻ったのに、また私たちの街は赤で染まってしまうの?」 家を挟んだ向こう側から、鼻声交じりの少女の声が聞こえてきた。 奴らの飛行音が鳴り響く中よく聞き取れたものだ。 ドルエードッドッド  ドルエードッドッド 「だって、この前まで、守衛さんが一生懸命街を戻してたのよ。守衛さんがかわいそう」 ドルエードッドッド  ドルエードッドッド 「いつだって?じゃあ、ママの時もそうだったの。それなら、しょうがないね」  一度も彼女の母親の声を聞くことができなかった。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加