始まりの夏

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立川 進は、一番窓際の列に座っている。 大学受験も、そんな自分のレベルを超越するようなところを狙っているわけじゃない。 だからこの夏期講習も欠伸をしながら、何となく受けていた。 やる気が無いのはいつからから。昔は人並みに夏には帽子を被って外に出かけて近所の友達と虫取りに出かけたりした。 特に特別なきっかけはないのだろう。ただ、なんとなく人と関わったり、何かにひたすら励むというのが面倒で、億劫になった。 学校の成績も中の上を行ったり下を行ったり。 クラスメイトとも必要な会話はする。 現状に俺は満足していた。 しかし、そんな満足していた日常を無理やりぶっ壊そうとしてきた奴がいた。
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