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8年前―
「はーい!!
みんな寄ってってねー!!
うちのバンド今から人気出るから!
新入生も俺らと一緒にモテモテになろうぜー!!」
俺達を含め、様々なサークルの勧誘が至る所で行われていた中庭の隅
騒がしい場所から少し離れた桜の木の下
春の暖かい日差しの中で幸福そうに眠るアイツを見つけた
時折吹く柔らかい風で舞った花びらをたくさん付けながら眠る姿は
まるで1枚の絵画みたいで
すごく綺麗だった
……調子に乗りそうだから本人には絶対言わないけど
「………ぁ…」
しばらく遠目で観察していたら、ちょうど顔の上に花びらが落ちてきたみたいで
無意識ながらも取ろうと身じろぐソイツ
その動きがキモくて思わずドン引く俺
「…ぶはっ」
ひとしきり笑い終えると(多分3分は笑い続けてたと思う)
何だか少しかわいそうになって助けてやる事にしたんだ
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