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「限られた時間を好きになって理解してあげられたら、誰かと本当に付き合う時でも続けていける。そう思ったから」
だけど、現実は甘くなかった。
男達は当然のように女の子の体を求めるし、お金を払って買う関係に、情を持とうなどと考えない。
「……今日だってね。賢治くんに会いに来るのが凄く嫌だった。また、無理矢理襲われるのかなあって」
「おそ……」
「ふふ、軽蔑した?」
胸をかき乱されるような気持ちになった。
勿論、俺は偽善者なんかじゃないし、どっちかと言うと考えはその男達に近いものを持っていた。
だからこそ、もし、しいなの言った事が本当なら。
仕事をする事で、相手を理解しようと頑張ってるのなら。
……罪悪感が体中を覆うほど、襲ってきた。
「だからね、私だってキスする相手くらいは選ぶの」
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