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「一生懸命好きになるくらいなら、俺の事を気に入ってくれたなら、俺と一生付き合ってくれよ! きっかけなんて何だっていいだろ? 俺だったら少々傷付けられても平気だから!」
そうだよ。
俺だったら何を言われても、どれだけプライドを傷付けられても平気なんだ。
お前が自分を殺してこんな商売をするのと同じ様に、俺だってどれだけ自分を傷付けられても、それでも一生懸命人を好きになりたい。
「自分だけが愛を捧げるなんてずりいだろ! 俺にだってお前を好きになる時間をもっとくれよ!」
喉が枯れるくらい、一気に喋った。
言った後、自分が何でそんな事を口走ったか、理解できなかった。
だけど……凄くすっきりした。
しいなは両手で口を覆いながら、また泣いている。
さっきと比べ物にならないくらいの涙。
「私……この商売をしてないと、誰かと付き合っていくのが怖いの……無理だよ」
「大丈夫だ。俺はお前を受け入れる」
「私、何でもかんでも先を考えずに口走るから……」
「大丈夫だ、俺だってそうだもん。それを許してくれるのなら」
「私は、平気。今まで自分が付き合った人を傷つけた罰だから」
俺はそれを聞いて、小さな頭を抱きしめた。
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