注文その1

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  何故、俺はここに居るのだろう? 目的の女の子が横に並んでも、やっぱり俺の疑問は消えなかった。 いや、普通にお金を払ったんだし、ホテルとか自宅とか、とにかく行こうって話になるのが筋じゃないのか? ていうか、お金を6000円も払ったんだぞ? 「ん? 賢治くん、どうしたの? 緊張してるっ?」 古賀椎奈(こがしいな)と名乗ったその女の子は、俺の顔を覗き込んでにっこり笑った。 「あの、その。これは一体、何の……」 「あ、そっか! 最初のデートで緊張してるんだね! ようし、緊張している賢治くんに代わって、私がリードしてあげるね」 俺の中ではどストライクの笑顔を浮かべ、手を握ってくる。 というか、それだけで緊張ものだ。 「その、あの、ええと古賀さん?」 「違うよぉ。恋人同士でしょ? し・い・な。私の事、しいなって呼んで? ね?」 頭が爆発寸前です。 これ、今時の羞恥プレイか何かですか?    
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