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「今なら、今ならこの門を飛び越えられるきがする…」
隣にいるオタルックは何かブツブツ呟いている。ぶっちゃけ、不審者にしか見えない。怖い、ホントに。
「…よしっ飛び越えるか!!」
俺、今なら行けるっ!などと言っている。いや、ムリ。普通に無理!
いやしかし、母さんに持たされたBL本(と言う名の台本)には、王道転校生は門を飛び越える習性がある、とか書いてあったような……
「止めておけ。出来る気がするだけだ!」
絶対に無理だから。
目の前でグロいものを見たく無い一心で俺が声をかけると、やっとこちらに気づいたみたいだ。ずっと隣いたのに!
「うわあっ び、びっくりしただろ!いきなり驚かすなよな、謝れよっ!」
俺からすると、お前の格好のほうが驚きだけどな。そして、何故忠告しただけで謝罪を求められなきゃならないんだよ。むしろ感謝をしろ、感謝を!
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