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すると副会長はぼそり呟くように言った。
「…なんで」
「だって、先輩嫌だったんですよね?」
俺には触れられたくない事なのかと思ったけど。
近くにあったベンチに先輩座らせて自分も隣に腰を下ろす。
「もし、そうだとしても貴方に関係無いことでしょう!?」
先輩は、ベンチから立ち上がると声を荒げた。
とりあえず座る様に促すと座ったのを確認して話を続ける。
「確かに俺にはなにも関係ない。でも、先輩泣きそうに見えたから」
「…っ!」
まあ、なんとなく身体が動いたっていうのが正直な話なんだけど、と笑って付け足す。
先輩は図星をだったのか、黙りこんでしまった。
「先輩はさ、泣きたい時に泣けないでいたんだろ」
先輩は何故わかったといわんばかりに、ばっと顔を上げた。意外と分かりやすいな、と少し笑いが零れた。
「…何がおかしいんですか」
少し拗ねたように言う先輩が可愛いくて、今度は噴き出してしまった。
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