第01章

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ペットは家族であるかどうか。 こんな議題でこの前の国語の授業を受けた時に討論をした。 小学五年生の時、つまり私が“特別”になった時から飼いだし、それから今までずっと一緒に暮らしてきたクロがいるので、私はもっぱら賛成派だったのだが、人数の都合という不可解な理由で否定側にまわされてしまった。 しかし、そこで自分とは違う意見を知り、なるほどと思う理由に、ほぉ…と感心するようなことがあったが、やはり私は自分の思いを変えるには至らなかった。 「クロ、おはよ」 私の声を聴き、耳をピクンとさせ凄い勢いで今まで地面に付けていた顔を私に向ける。 「朝ごはんと散歩、どっちが先がいいかな?」 人成らざる者に人の言葉が分かるのか。 と疑問に思うが、クロはちゃんと答えてくれる。 もちろん、人語ではないが… ワンワンと尻尾を振りながら自分の餌入れに顔をむけ尻尾を振るクロ。 「ん、わかったよ。じゃあ、ちょっと待っててね。とってくるから。」 そういって、クロの餌がおいてある小屋に向かう。
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