第00章

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「………はぁ」 何度目だろうか。 14年間いきてきた人生のなかで、ため息は幾度と無くしてきた。 今回のため息もその中のたった一回に数えられるのだが、しかし、憂鬱になる。 以前、土砂降りの雨の中、母に夕食の買出しを頼まれたときや、妹に好きなアイドルを小一時間熱心に話されたときにもこんな気分になった。 でも、こんなのはあんまりじゃないだろうか。 このようになるまでを説明するには、自分の脳細胞を総動員させても、些か無理なような気がする。 やはり、思い返してみると今朝からおかしかったのだ。 「はぁ……」 ため息をすると幸せが飛んでいってしまう、と誰かが言っていたが、そんな迷信を信じる気にはなれなかった。
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