第01章

4/21

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
突然だが、私、吉川結衣は日特に行く日は、極力、学校に行くのを避けている。 だから、今日は日特にいくので当然学校はお休みというわけだ。 世間一般的には、私は中等部の3年生というのにカテゴリーされ、義務教育の最終点に立っているのだが、如何せん、薫が言ったように“特別”なのだ。 世界中には、様々なオカルトがある。 それは、ヨーロッパでの魔女や狼男なんかであったり、中国の龍や麒麟、我が国日本でも、鬼やら幽霊やらがあげられる。 ざっと今思い浮かべるだけでも、種類が豊富だ。 それに、悪魔崇拝をするカルト宗教なんかもある。 しかし、現在それらは科学的に真っ向から否定されている。 信用性が足りないのだ。 まあ、それらを研究している輩もごまんといるのだが… それはともかく。 昔、父方の祖父に 「お化けってどうして怖いの?」 と我ながら子供くさい事を聞いたことがある(その時は本当に私は幼かった)。 だが、彼の言っている黒魔術かなんかに思える呪文のような長ったらしい言葉での説明――今思えば、それは専門用語的な何かだと分かる――が当時の私には難しすぎたのだろう。 すぐに興味を失くしてしまった。 しかし、その数年後。 小学五年生の時に、まさか私が科学に否定される存在になるとは思わなかった… 今では、杖なんか使わなくても物を浮かべることができる女性や、いつでもどこでも毛むくじゃらの狼人間になれる男性、自由に空を飛びまわる子供を見てもかつての自分みたく、怖がったり驚いたりしない自信がある。 というか、彼、彼女らが知人にいて友人でもある。 そんな私を含めて“特別”と言われる人達が大概属しているのが、政府に設けられている特別総務省である。 これは、先進国にはほとんど設けられておる機関で、ここ日本でも、太平洋戦争が終わりGHQのマッカーサー殿が設立して以来、今まで堂々と都内にそびえ立っている。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加