第01章

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そのころの日本では、オリンピックという4年に1度の世界大会が行われた直後だった。 広島県警は、悪夢を見なくなった人々に非日常の事を知らせたくないと考えた。 彼らはすぐに扉を隔離し人々から遠ざけた。 それを秘匿としたのだ。 まあ、これは余談になるのだが… 数年後、政府や警察の動きが怪しいと疑ったマスコミらに、『ゲート』を見つけられてしまい大騒ぎになった… しかし、今はこの話をしなくてもいいだろう。 広島県警はすぐに警察庁に連絡して調査を頼んだ。 しかし、その当時、調査団がどんな手を使おうとも扉は開くことが無かった。 「はぁ…」 ため息をはく。 こうして私たちが“特別”な力を持っているのは、何かこのゲートと運命付けられているおうな気がしてならない。 その後、手に余ったゲートの調査を担当したのが、当時、税金の無駄だと叩かれていた日本特別総務省、通称、日特であった。 この一件を担当するまで、ただ日本の“特別”とされる人の管理と調査。 また、彼らによって起こされる犯罪の対処を任されてきただけだったのだが、そこから市民の信頼を勝ち取るのに時間はかからなかった。 あの時が一番忙しかったかもしれない、とげっそりとした様子で祖父が言っていたと通り、信頼を得る代わりに、彼らはとてつもなく濃厚な日々を送っていたらしい。
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