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心底、その時代に生まれてこなくてよかったと思う。
面倒なことは嫌いだ。
しかし、今も今で私たちは大変な思いをしていうると思う。
丁度その時に分かったのだが、世間では不幸の象徴、私にとっては面倒の極みであるゲートは私たちのような“特別”な人でないと開くことができないのだ。
よって、ゲートが見つかった暁には私たちのようなものが者が駆り出されるわけである。
「そろそろ、クロの散歩行ってあげたら?」
母の葵が催促する。
が、その音色がすべてを打ち消してしまって、ほわんと耳に残る。
「あれ、もうそんな時間だった?ありがとうお母さん。ごちそうさま」
「はい。お粗末さまでした」
母の声を聞きながら、早足で洗面所に向かいやっと顔を洗い鏡を見る。
どちらかというと母親似の顔。
親や親戚からは、母の姉である碧おばさんに似てるとよく言われる、決して不細工ではない顔が鏡に映っていた。
そこから、着替えるために自分の部屋がある2階へとあがる。
いくら面倒くさがりな私でも外に出る時は流石に寝巻きや部屋着から着替える。
学校が休み且つ日特のほうが非番だったなら、ずっとそのままなのだが。
自分の部屋に入ろうとしたところで
「いってきまーす!」
と薫の明るい声がここまで届いた。
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