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独り静かに自宅のリビングのテーブルについた。
晴斗は二階で熟睡し、智紀はまだまだ帰らない時間だ。
父に叩かれた頬がまだ痛む。
結局父親は奈美さんと勝手に話をつけ、代わりにこの件は口外しない、という約束を取り付けた。
智紀の耳に入れたくない、という態度が見え見えだった。
それにしても…と瑞希は思う。
予想より早く奈美さんが動いてしまった。
せめてあと一週間違ったら浮気の証拠が全て揃ってこっちが優位に動けた。
瑞希の考えでは、奈美さんが動く前に、智紀に浮気の証拠を突きつけ離婚裁判をおこすつもりだった。
しかし幸か不幸か、まだ智紀の耳には瑞希の浮気の話は入っていない。
早急に資料を完全にしてもらい離婚に向けて行動をおこさなければならない。
そして晴斗と共に笹塚が自由になるチャンスを何年でもじっと待つつもりだ。
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