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(高橋)「いや,別に…。それでどうだったんだ?」。
惣太郎はとりあえず,聞かれるがままに答えることにした。
(惣太郎)「部員のみんながまったくやる気になってくれなくて…。どうしたらやる気になってくれるのか考えたところです」。
(高橋)「やっぱりそうか…」。
(惣太郎)「やっぱりって…先生何か知ってるんですか?」。
惣太郎は気になって聞いてみた。
高橋も惣太郎に話すことにした。
(高橋)「実はな…俺は去年の秋まで野球部の顧問をやっていたんだ」。
(惣太郎)「えっ!?そうだったんですか…」。
惣太郎はそのことを聞いて驚いた。
(惣太郎)「去年の秋までって…今はもう違うんですか?」。
(高橋)「あぁ。まぁ同好会の顧問も実は俺がやってるんだが,まったく顔を出してないんだ」。
(惣太郎)「そうなんですか…。でも何で野球部が野球同好会になっちゃったんですか?確か去年の夏は県でもけっこう勝ち進んでましたよね?」。
惣太郎が核心に触れると,高橋の表情は次第に厳しくなっていった。
(高橋)「松下…お前にはちゃんと話しておく。去年の夏,3年生が引退したあともまだ野球部は新チームになって,練習も毎日やっていた。しかしある1人の部員がきっかけで野球部がなくなることになったんだ」。
(惣太郎)「ある1人の部員?」。
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