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(高橋)「あぁ。その部員は二階堂っていうんだ。二階堂は1年生の頃からレギュラーで出ていて,去年の夏も主軸を打って活躍してくれた。3年生が抜けた後も,キャプテンとしてチームを引っ張っていってくれていた。しかし3年生が引退した後の戦力は驚くほど落ちてしまってな。二階堂の実力だけ群を抜いてしまったんだ。試合でも二階堂だけは活躍するがチームは大敗。次第に二階堂は勝負を避けられるようになり,チームはコールド負けが続いた。その現実にある日,二階堂はしびれを切らし,ぐれてしまった。去年の冬に,二階堂は部員と暴力事件を起こし,その事が学校にもばれてしまい,野球部は廃部を余儀なくされたんだ」。
野球部のそんな過去を聞いて,惣太郎は気の毒に思った。
(惣太郎)「野球部にそんな過去があったんですか…」。
(高橋)「あぁ。今は同好会ですらも校長先生が渋々活動を認めている状況だ」。
(惣太郎)「そうなんですか…」。
惣太郎は野球部発足を諦めかけた。
そんな惣太郎を見た高橋が…
(高橋)「松下…野球部…作りたいか?」
と,惣太郎に聞いた。
(惣太郎)「えっ!?」。
惣太郎も思いがけない言葉にビックリした。
(惣太郎)「まぁ作る気は満々だったんですが…とてもそんな状況じゃあ野球部なんか…」。
(高橋)「1つだけ方法があるぞ!!」。
(惣太郎)「方法…ですか?」。
(高橋)「あぁ。お前の決意が固いなら教えてやる。まぁ成功するかはわからんがな」。
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