― 第一章 ―

10/17
前へ
/277ページ
次へ
.  ミホとは今のグループに入って走り始めた頃、リーダーが妹だと言って連れて来た時に知り合った。  仲間に紹介する時に自慢が出来るほどにはまあまあ可愛かったし、小柄で童顔な割に威勢が良く、喜怒哀楽がはっきりしているところと、クルクル良く動く丸い目が竜二は気に入った。  ミホの方も一目で竜二を気に入って、いつも竜二のZZ-Rの後ろに乗りたがった。  とにかくミホには遠慮なくものが言えて、気楽な事が一番だった。 「さてと……行くか」  上着を掴んでドアへと向かう。  その時、ポケットの中で携帯電話が音を立てた。 「―― ん?」  急いで取り出し、ボタンを押す。 「もしもし――」 『竜二か? 俺だ』  呼び掛けたのは、実家の兄だ。 .
/277ページ

最初のコメントを投稿しよう!

99人が本棚に入れています
本棚に追加