― 第二章 ―

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. 「保の奴、頭に来ちゃった!」  脚立にまたがって、ミホは口を尖らせた。。  河原を出てから仲のいいメンバーとファミリーレストランへ行って沢山喋った後、やっぱり今日のうちに竜二に話しておこうと思い、工場を訪ねてきたのだ。  ジュースを飲みながら、さっき河原で起きたことを事細かに説明する。 「それで―― 誰が残ったのか分かるか?」  竜二は工具を置くと、油だらけの手をタオルで拭いた。 「二人乗りで来てたバイクが二台、一人は雅人の。それと一人乗りが一台と、後は保」 「六人か。名前は後で保に聞くよ」  話しながら、ミホの持って来た缶コーヒーを手に取りタブを引く。 「見せしめにたたんじゃえば?」  竜二はミホを見て、肩を竦めた。 「馬鹿、殴ってどうするんだよ」 「腕力で竜二に勝てる奴なんかいないんだから。何なら、お兄ちゃんにも言っちゃおうか? 竜二とお兄ちゃんなら、最強コンビだよ」 「実力行使はもう卒業したよ」  どうにも腹の虫が収まらない様子のミホに、少し笑ってコーヒーを一口飲む。 .
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