― 第二章 ―

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. 「無視しちゃって―― 可愛いねぇ」  金髪の男が窓から手を伸ばして、真由子の長い髪に触れた。 「やめて下さい!」  思わずその手を払う。  男はムッとした顔をすると、後部席に乗っていた仲間に声を掛けた。 「おい、この女乗せてやれ」  途端に後ろのドアが開く。  出て来た二人の男は、いきなり真由子の腕を掴んだ。 「お、すげえ可愛いじゃん」 「何するんですか !? やめて下さい! 離して!」 「いいからいいから、ちょっと付き合ってくれれば家まで送ってやるよ」 「嫌あっ!」  抵抗する真由子を強引に押し込むと、車はカーステレオのボリュームを上げて急発進した。 .
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