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数秒後――
真っ暗な空に舞い上がった真由子の身体は、ドサッと鈍い音を立てて砂利道に落ちた。
同時に重苦しい静けさが広がった。
「おい………」
男たちがバイクから飛び降り、真由子に近付きながら声を掛けた。
返事がない。
「おい!」
今度は肩を掴んで揺すってみた。
頭がグラリと動いて、目を見開いた真由子の顔が男たちの方を向いた。
「わあぁっ!」
全員が後ろへ飛び退いた。
血は一滴も流れていない。
けれどそれは、どう見ても生きているとは思えず――
「し―― 死んでる!」
「殺っちまった……まずいよ……ヤバイよ、保。どうするんだよお !!」
雅人が声をあげ、震えながらその場にしゃがみ込む。
他の四人も一歩も動こうとはしなかった。
いや、恐ろしさで動けなかったのだ。
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