― 第二章 ―

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.  竜二はミホを家まで送った後、もう一度工場に戻った。  やっと整備の続きを済ませた頃には、もう午前二時を過ぎていた。  道具を片付けてバイクを外へ出し、シャッターを閉める。 「ちょっと寄り道して行くか」  バイクに話しかけるように呟き、ヘルメットを被る。  腹の底に響くような音を立てて、ワインレッドのバイクは走り出す。  夏とはいえ、深夜ともなると風は結構涼しい。  だいたいの信号は点滅に変わっていて、細い道はほとんどノンストップで走る事が出来る。  低速走行ではノッキングに似た症状を起こすZZ-R600も、気を使わなくて済む。  国道246号を西へ――  風を切って竜二は走った。  光が丘の駅に差し掛かる。  竜二は公園の入り口に自動販売機を見付けると、その前でバイクを止めた。  コインを投入してボタンを押し、取り出し口から缶を取り出す。  ヘルメットを脱いで傍のガードレールに腰掛け、コーヒーを口にする。  思わずホッと息をついたその時だった。  突然少し離れた茂みの中で、何か大きい物が動く気配がした。 .
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