― 第二章 ―

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. 「仕方ないな。ここにずっといるわけに行かないから―― 俺の所で良ければ来るか?」  少女はしばらく竜二の顔を見つめてから、黙って肯いた。 「俺は妹尾竜二。君の名前は?」 「…………葉月」  竜二は自分のヘルメットを葉月に被せ、エンジンをかけた。  そしてもと来た方へと、バイクをスタートさせた。 ―*―*―*―*―*― *第三章予告 「竜二……」  小さく名前を呼ぶ。  すぐ傍の植え込みの中で、何かが動いた。 「竜二!」  今度は思い切り大きな声で叫んだ。  そしてその場にしゃがんで、頭を抱え込んだ。 「竜二!竜二――!」 「呼んだか?」  すぐ前で声がした。  顔を上げると、竜二が前屈みになって顔を覗き込んでいる。 「竜二……」  途端に、葉月は目にいっぱい涙を溜めて竜二にしがみ付いた。 .
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