― 第三章 ―

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.  柔らかい陽の光と小鳥の囀りに、竜二は目を覚ました。  枕元の時計を手探りで掴み、顔の前に翳す。 「十一時か――」  時計を元の場所にドンと置き、目を閉じて身体を横向きに変える。  が――  人の気配に、うっすらと目を開けた。  誰かが枕元に座っている。 (ミホ? ―― 違う……あっ!)  途端に、竜二は跳ね起きた。 (そうだった! 昨日の夜、光が丘の公園の所で――)  行く所が無いと泣く少女を連れて帰ってシャワーを浴びさせ、ベッドを貸したのだった。 「おはようございます」  葉月はニッコリ微笑んだあと、頬を赤く染めて顔を背けた。 「あ……おはよう」  葉月の様子に、竜二はハッとした。  夕べは何だか蒸し暑くて、ランニングシャツとトランクスだけで寝てしまっていたのだ。  慌ててタオルケットを引き寄せて、腹から下を覆う。 「ゴメン、こんな格好で」  思わずそんな言葉が口をつく。  ミホが相手なら全く平気なのに何を慌てているのだろうと、竜二は自分で自分が可笑しかった。 .
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