― 第三章 ―

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. 「―― 勝手な事して悪かったよ」  保の言葉を聞きながら、竜二はバイクの傷に手を触れる。  それから、借りてきた猫のように小さくなっている雅人に目をやった。 「雅人、バイクは直しておいてやる。でも、おまえの為じゃない。このままじゃ、こいつが可哀想だからだ」 「わ、分かった。じゃあ―― 頼むよ。ホントごめん。悪かった」  雅人は頭をペコリと下げると、保の車に乗って帰って行った。 「あいつ、本当は何をやったんだ……」  なぜ保が嘘を付くのか、雅人が口を濁すのか、この時の竜二には何一つ分からなかった。  -*-*-*-*-*- .
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