― 第三章 ―

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. 「竜二!」  今度は思い切り大きな声で叫んだ。  そしてその場にしゃがんで、頭を抱え込んだ。 「竜二! 竜二――!」 「呼んだか?」  すぐ前で声がした。  顔を上げると、竜二が前屈みになって顔を覗き込んでいる。 「竜二……」  途端に、葉月は目にいっぱい涙を溜めて竜二にしがみ付いた。 「ごめん……。怖がらせちゃったね。意地悪するつもりは無かったんだ。ただ――」  ポケットからクシャクシャのハンカチを出して、葉月の涙を拭いてやる。 「ただ、何て言うか……」  言葉でどう表現すればいいのかよく理解出来ない感情と一緒に、竜二は思わず葉月を抱き寄せた。  出逢ってまだ、二度目の夜だった。  -*-*-*-*-*- .
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