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ちょうどその時、通路の奥の階段を見覚えのある服装の人物が上がっていくのがチラリと見えた。
「あのTシャツ―― 竜二?」
ここなら竜二が来ていても、ちっとも変ではない。
「ようし、行って驚かしてやろうっと!」
急いで振り返り、少し離れて歩いていた祐介に駆け寄る。
「お兄ちゃん、これ持ってて」
「あ? 何だよ」
「私、ちょっと上に用があるから。すぐ終わるから」
面倒臭そうに籠を受け取った祐介に告げながら、ミホは急いで階段の方へ向かった。
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