― 第四章 ―

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. 「私もあなたが好き――」  こちらに向き直った葉月の肩を掴み、顔を近付ける。  微かに開いたピンクの唇に引き寄せられるように、唇を重ねる。  閉じられた瞳。  長い睫は少し震えていた。  そこから溢れ出た涙が、一筋の雫となって紅潮した頬を滑り落ちる。  唇を離し、竜二は静かに問い掛けた。 「何が悲しいの?」 「違うの……悲しいんじゃない。女の子はね、嬉しくても泣くものなのよ」 「君は泣き虫だね」  竜二は、葉月の濡れた頬に唇を押し当てた。 「ずっとこうしていたい……」  葉月は、竜二の胸に静かに顔を埋めた。  東側の窓から朝日が射し込んでくる。  また熱い一日が始まろうとしていた。  -*-*-*-*-*- .
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