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「何よ! 何怒ってんの !? いい加減にしたら? いつまでもウジウジ引きずって。もう三年も前の事なんでしょ? 男らしく無いったらありゃしない!」
「うるさい! 何も知らないくせにごちゃごちゃ言うな!」
竜二はそれでも横になったままで、顔を向けようともしなかった。
今日だけでは無い。
その夢を見た時は、いつもそうなのだ。
「知るわけないじゃない! ちゃんとした理由も言わないんだから。分かったわよ! 帰ればいいんでしょ、帰れば! 竜二の馬鹿!」
ミホは体操着の上にさっさと制服を着込むと、鞄を掴んだ。
が、腹の虫が治まらないのでもう一言いってやろうとベッドの傍まで戻って行った。
「竜二――」
と、言いかけて―― やめた。
竜二がスースーと寝息を立てて眠っていたからだ。
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