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ヘルメットを脱ぎ、斜面に寝ころんで拳で涙を拭う。
真面目に一生懸命やっているつもりだった。
それを認めてもらっていると思っていた。
しかし、現実は違っていた。
違っていたのだ。
拭っても拭っても涙が出て止まらない――
(一度ミスをしたら、もうどんなに頑張っても駄目なのか?)
そう思った時、下の方で声がした。
「こらっ、諦めるな!」
飛び起きて、声のする方を見る。
「ミスをしても下を向くな。そんな暇があったら走れ! ボールを追え!」
「はい!」
サッカーのジュニアユースチームが練習している。
竜二はその少年に、目を細めた。
自分の子供の頃の姿が頭を過ぎる。
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