― 第四章 ―

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. 『上手いぞ、竜二。おまえは将来の日本代表だ。次の試合も頼むぞ!』 『はい! コーチ』 『おまえの進路の事は考えてある。おまえは何も心配しないでサッカーをやっていればいい』 『コーチ。僕、大きくなったらJリーガーになれますか?』 『なれるさ、おまえならヨーロッパへだって行けるぞ。俺は嬉しいよ。おまえのような選手に巡り会えて。竜二、頑張れよ!』 『はい。頑張ります! 頑張ってJリーガーになります』  大きな音を立てて新幹線が鉄橋を通り抜け、子供たちの楽しそうな声を掻き消す。  竜二は徐に立ち上がり、ズボンの草を払った。  そしてまたバイクにまたがると、海岸道路に向かって走り出した。  -*-*-*-*-*- .
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