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そのまま直ぐに覆い被さる。
「それなら、今すぐ俺のものになれ!」
「竜二、何を――」
驚いた葉月の声を遮り、言葉を続ける。
「俺は男なんだ。その俺の部屋に一緒にいるっていう事は、自分からここにいたいって言ったって事は、こうなるのも承知しているって事だろ !?」
「お願い、やめて!」
首を横に振り、葉月が両手で竜二を押す。
構わず葉月の片腕を押さえ、竜二はブラウスの上から胸に触れた。
「やめて――」
「家に帰れない、行く所がないって言うから、理由も聞かないでここに置いてやってるんだ。だったら――」
葉月の声も無視して、片手でブラウスのボタンを外す。
それは――
葉月の白い胸元がチラリと覗いた瞬間だった。
「い……嫌ぁあああぁっ !!」
全身の力で竜二を突き飛ばした葉月が、キッチンへ駆け込む。
そして、直ぐに流しの下の扉を開け、両手にしっかりと包丁を握ったのだ。
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