― 第四章 ―

13/30
前へ
/277ページ
次へ
. 「葉月……」  捜しに行こうにも、何処へ捜しに行けばいいのか――  葉月の事を何一つ知らない自分に気付いて、竜二は途方に暮れた。  葉月のあの胸の傷。  そしてひどく怯えた目。  初めて会った夜の事を、竜二は思い出した。 「俺は何て馬鹿な事をしたんだ……なんて馬鹿な――」  竜二はいても立ってもいられず、暗い道へ駆け出して行った。  感情に任せて取った行動を、今更ながら後悔していた。  -*-*-*-*-*- .
/277ページ

最初のコメントを投稿しよう!

99人が本棚に入れています
本棚に追加