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「葉月……」
捜しに行こうにも、何処へ捜しに行けばいいのか――
葉月の事を何一つ知らない自分に気付いて、竜二は途方に暮れた。
葉月のあの胸の傷。
そしてひどく怯えた目。
初めて会った夜の事を、竜二は思い出した。
「俺は何て馬鹿な事をしたんだ……なんて馬鹿な――」
竜二はいても立ってもいられず、暗い道へ駆け出して行った。
感情に任せて取った行動を、今更ながら後悔していた。
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