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それで結局、登校するまでそのまま竜二の部屋に留まった。
しかも竜二が目を覚ましたらすぐ食べられるように、ちゃんと朝食まで作って。
何で私が!と思いながらも何故か世話を焼いてしまう自分にも、ミホは腹が立っていた。
本当の事を言えば、竜二の気持ちはよく分かっていた。
三年前に何か竜二の運命を変えてしまうような、大きな出来事があったらしいのだ。
でもそれが何なのか話してくれなかったし、ミホもわざわざ訊こうとは思わなかった。
けれども、過ぎてしまった事を柄にもなくいつまでもくよくよしている竜二を見るのが、ミホはたまらなく嫌だった。
気分を晴らそうと、廊下の窓から下へ向かって思い切り叫ぶ。
「竜二の馬鹿ヤロー!」
途端に登校して来た生徒が驚いて上を向いて、ミホは慌ててしゃがみ込んだ。
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