99人が本棚に入れています
本棚に追加
.
「いいですよ、もう。分かって貰えればそれで」
「妹尾……。赦してくれるのか?おまえを疑った俺を」
「赦すも何も……俺が今までやって来た事が、誤解の原因なんですから」
「それじゃあ―― 虫のいい話しだと思うが、これからもいてくれるよな?」
竜二は一瞬黙った後、ニッコリ微笑んだ。
「よろしくお願いします」
「そうか。ありがとう、ありがとう」
社長は竜二の手を握り、何度も肯いた。
それから安心したように大きく息を吐くと、頭を掻きながら言葉を続けた。
「ところで、昨日の電話の……彼女か?」
「はい。一緒に住んでます」
「そうか、彼女かぁ。もし結婚するなら、仲人だって何だってやってやるぞ」
社長はこれ以上ないという笑顔で、竜二の肩をポンと叩いた。
.
最初のコメントを投稿しよう!