― 第五章 ―

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. 「いいでしょ?合い鍵だよ」  ミホはポケットから鍵を出すと、ブラブラさせて見せた。  ペットボトルのお茶に付いていたオマケのマスコットが、ぶら下がっている。 「何でそんな物……まさかおまえ――」 「何?」 「何って……」  いくら高校生だと言ってもミホはもう十八歳で、しようと思えば結婚だって出来る歳なのだ。  でもまさか『おまえたち大人の関係か?』などと、露骨な質問は出来ず――  祐介は困ってしまった。  ミホは祐介の様子を見て、何となく言いたい事に気が付いた。 「分かった。お兄ちゃん、私と竜二が何処まで行ってるか気になったんでしょ?」 「おまえ、そういう言い方……」 「教えてあげようか?私と竜二のカ・ン・ケ・イ」  戯けて微笑む。  祐介は一瞬唇を動かしかけて急に立ち上がったかと思うと、まだ残っているスパゲティを置いたまま、黙って自分の部屋へ行ってしまった。  リビングに取り残されたミホは、その後姿を見送り、首を捻った。 .
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