一真の章

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翌日、河原奈都は検査を受けた。 一真は面会時間の最初から付きっきりで、できる限りそばにいた。 彼女が両親と対面するときにも付き添った。 河原奈都は二人の顔をジッと見つめながらも、その瞳に何も映していないかのように無表情だった。 しばらくすると、黙ったままその場を後にして病室へと戻った。 彼女が泣き崩れてしまうのではないかと思っていた一真は拍子抜けしたが、その不自然さに不安を覚えた。
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