竜の章 その2

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「君達、大丈夫?」  男達が去ると女性は竜斗と翔太に近付き屈んで話しかけた。 「いてて・・・あのここが」 「大丈夫です!」  怪我をアピールしようとした翔太の言葉を遮り、竜斗は素早く立ち上がると女性に返事をした。  竜斗は何故だか彼女に弱い自分を見せたくなかった。そんな竜斗を見て彼女がクスリと笑みをこぼした。 「君、強いんだね。えーと・・・」  彼女は竜斗の名前を知ろうとしたのか、名札を見つめると固まってしまった。 「・・・あの?俺、坂本竜斗っていいます。」 「え?あ・・・あぁ!坂本竜斗クンね。一瞬、坂本竜馬かと思っちゃった、あはは・・・」  彼女は誤魔化すように笑った。そして 「私は」 「奈都(なつ)、俺を無視するな。」  彼女の言葉を遮り「生徒会長」の彼が彼女を呼んだ。 (なつ・・・それが彼女の名前?)  竜斗は心の中で彼女の名前を反芻した。
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