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「な…おまえ、また!?」
彼らが一斉に振り向きそのうち一人が声を上げると、彼女はゆっくりと近付き竜斗と彼らの間に立った。
「私の名前は河原奈都。逃げも隠れもしないわ。一年五組のおバカさん達?」
彼女は彼らにそう言うと竜斗の方を向き屈んで話しかけた。
「ごめんね、竜斗クン。これ、持っててくれる?」
そう言って奈都は自分のカバンを竜斗に渡す。竜斗は黙ってそれを受け取る。ただ彼女の言葉は竜斗の耳には届いていなかった。
「なっ!?おまえ、何で俺達のクラスを知って…!?」
「ちょっ、あいつ今河原奈都って言わなかった?」
「って、二年の選抜の…?」
竜斗と奈都が見つめ合っている間に彼らが後ろで大声を上げたり小声で話し合ったりと騒がしかったが二人はそれをまるっきり無視していた。
奈都はぼんやりした表情で自分を見つめる竜斗を少し不思議に思ったが、にっこりと微笑むと彼らに向き直った。
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