一真の章

38/45
前へ
/598ページ
次へ
こんな風にアプローチすれば、もう自分の気持ちに気付いているだろうか? それでも誘いに応じてくれることに、期待してもいいだろうか? 一真が自問自答していると、テレビからニュースが聞こえてくる。 「―――次のニュースです。」 その深刻そうな面持ちから、良くない知らせだと見てとれる。 どうやら交通事故の知らせのようだ。 夏休み等の休暇になると、行楽地の楽し気な様子が取り沙汰される反面、どうしても不運な事故のニュースも増えるようだ。 そのことが残念に思えて眉をひそめながらテレビ画面を見ていた一真は、次の瞬間凍りついたように固まった。 「―――――え…?」
/598ページ

最初のコメントを投稿しよう!

231人が本棚に入れています
本棚に追加